ADXと移動平均線を組み合わせたFXトレード戦略

目次

ADX(Average Directional Index)とは?

ADXの基本的な概要

ADXは、トレンドの強さを測るための指標で、J. Welles Wilderによって開発されました。この指標は、相場が上昇しているのか、下降しているのか、またそのトレンドの強さがどのくらいかを把握するために使用されます。

ADXは、0から100の範囲で値が示され、以下のように解釈されます。

  • 0~20:トレンドがないか、非常に弱い
  • 20~40:弱いトレンド
  • 40~60:強いトレンド
  • 60~100:非常に強いトレンド

ADXの計算方法

ADXは、インジケーター「+DI(Positive Directional Indicator)」と「-DI(Negative Directional Indicator)」をもとに算出されます。これらは、価格の上昇と下降の強さをそれぞれ測る指標で、ADX自体はその差を利用してトレンドの強さを示します。

移動平均線(MA)とは?

移動平均線の基本的な概要

移動平均線は、指定した期間の平均価格を線で結んだものです。これにより、市場の動向をスムーズに把握でき、短期的なノイズを取り除くことができます。主に使われるのは以下の2種類です。

  • 単純移動平均線(SMA):指定した期間の価格の平均を取ったもの。
  • 指数平滑移動平均線(EMA):最近の価格に重みを置く移動平均線。

移動平均線の解釈

移動平均線は、トレンドの方向を把握するために使われます。価格が移動平均線より上にある場合は上昇トレンド、下にある場合は下降トレンドと解釈されます。また、移動平均線が価格に対してクロスするポイント(ゴールデンクロスやデッドクロス)もトレンドの転換点を示唆する重要なシグナルとされます。

ADXと移動平均線を組み合わせた活用方法

3.1 ADXを用いたトレンドの強さの確認

ADXを使用することで、トレンドの強さを数値で確認できますが、ADX単体では方向性を示しません。方向性を把握するためには移動平均線を組み合わせるのが効果的です。

例えば、ADXが40以上を示している場合、その時点で強いトレンドが発生していると判断できます。さらに移動平均線を使って、価格が上昇トレンドか下降トレンドかを確認すると、より精度の高いトレード判断が可能となります。

3.2 移動平均線のクロスとADXの組み合わせ

ゴールデンクロス(短期移動平均線が長期移動平均線を上回る)やデッドクロス(短期移動平均線が長期移動平均線を下回る)は、トレンドの転換点を示唆するシグナルとして広く利用されています。このようなクロスとADXの数値を組み合わせることで、より高い精度のトレードエントリーポイントを見つけることができます。

例えば、以下のようなシグナルを考えてみましょう。

  • ゴールデンクロス+ADXが40以上 → 強い上昇トレンドに乗る
  • デッドクロス+ADXが40以上 → 強い下降トレンドに乗る

このように、ADXが強いトレンドを示している場合に移動平均線のクロスを確認すると、トレンドフォロー型のエントリーがより確実に行えるでしょう。

実際のトレードでの使用例

4.1 上昇トレンドの中での買いエントリー

  1. ADXが25以上を示している。
  2. 移動平均線がゴールデンクロスを形成した。
  3. エントリータイミング:短期EMA(20日)が長期EMA(50日)を上抜けたタイミングで買い。
  4. エグジットポイント:短期EMA(20日)が長期EMA(50日)を下抜けたタイミングで売り。

4.2 下降トレンドの中での売りエントリー

  1. ADXが25以上を示している。
  2. 移動平均線がデッドクロスを形成した。
  3. エントリータイミング:短期EMA(20日)が長期EMA(50日)を下抜けたタイミングで売り。
  4. エグジットポイント:短期EMA(20日)が長期EMA(50日)を上抜けたタイミングで売り。

4.3 上記戦略をEA化してバックテスト

ストップロス:25

決済条件:テイクプロフィットによって決済(値:100)またはEMAのゴールデンクロス(買い)またはデッドクロス(売り)

このEAは下記のソフトで作成しています

まとめ

ADXと移動平均線を組み合わせることで、トレンドの強さや方向性を正確に把握し、トレードに活かすことができます。ADXはトレンドの強さを測るための優れた指標であり、移動平均線はトレンドの方向を示すため、両者を組み合わせることで相互補完的に機能します。
リスクを減らすためには、これらのツールを上手く活用することが重要です。トレードを行う際には、必ず複数の指標を使用して確認しながら進めましょう。

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