出雲大社神楽殿の大しめ縄を作る町<br>島根県飯南町への旅〈1〉

出雲大社神楽殿の大しめ縄を作る町
島根県飯南町への旅〈1〉

2017.10.07 Sat category : HAVE FUN

 

山陰地方は島根県と広島県の県境にある飯南町を訪れた。ここは島根県を代表する観光名所で全国的にも有名な「出雲大社神楽殿」の大しめ縄を作る町。見たことがある人はわかるだろう、大しめ縄は実物を見れば想像を超える圧巻の巨大さだ。 出雲大社では来年2018年7月に6~7年に一度の神楽殿の大しめ縄の架け替えが行われる。飯南町はその準備で大忙しだ。  神様に奉納する「しめ縄」を作る町、飯南町はどんな町か、どうやって作られるのか…

 

 

出雲大社神楽殿の大しめ縄は

こうして作られる

 

飯南町での大しめ縄製作の昭和30年代頃、出雲大社分院が飯南町にあった縁で、住民や信者らによって行われた。出雲大社の大しめなわ誕生のきっかけは昭和56年(1981)年ころに出雲大社神楽殿の建て替えが行われた時だ。宮司から「この神楽殿に合うしめ縄をつくってほしい」と言われたそう。大きな神楽殿に「合う」となるとかなり大きなものにしなければならなかった。当時、出雲大社勧農講社と頓原老人クラブがその主力となり、試行錯誤の末誕生したのが現代の大しめ縄。大繩2つを結び、中心がふっくらなるようにバランスよく仕上げ、3つの「しめのこ」という飾りをつけた。以降、6~7年に1度、大しめ縄の架け替えが行われるようになり、この伝統と活動は「飯南町しめ縄クラブ」「飯南町注連縄企業組合」へと受け継がれてきた。

 

 

初めて出雲大社神楽殿の大しめ縄を作った時の写真。昭和56年8月31日の日付。よく見るとクレーン車3台で大しめ縄をつっているのが分かる

 

 

 

大しめ縄は準備から、製作、架け替えまでおよそ1年半かかる。町民総出で田植えをし、育った稲穂を刈り、干してからさらに乾燥させる。準備が整うとまず最初に設計図に従って、しめ縄の外側になる「コモ作り」が行われる。小さな束をつなぎ合わせていく作業は細かく、骨が折れる。その後、たくさんの稲を縄で結んで束ねたものをそのコモで巻き付ければ大繩が完成する。蛇でいうならコモは「皮」、稲の束は「身」というとこだろう。ここまで全て人の手で行われ、およそ4か月かかるというから大変な作業だ。季節のいい秋から、厳しい冬にかけて行われる作業。寒い中でも、毎日通ってしめ縄づくりが行われるから脱帽する。

 

 

設計図に従ってまずは、しめ縄の外側コモ作り

 

綺麗になれべられた稲穂たち、通常の稲穂よりも背の高い「赤穂」が使われる

綺麗になれべられた稲穂たち、通常の稲穂よりも背の高い「赤穂」が使われる

一つ一つ小さくくくってつなげられていくしめ縄。骨の折れる作業なのは言うまでもない

一つ一つ小さくくくってつなげられていくしめ縄。骨の折れる作業なのは言うまでもない

この写真だけ見てもわかるように1つの大繩のコモだけでもすごい量だ

この写真だけ見てもわかるように1つの大繩のコモだけでもすごい量だ

綺麗にできるよう丁寧に縄が巻かれ、束ねられていく稲穂

綺麗にできるよう丁寧に縄が巻かれ、束ねられていく稲穂

稲を束ねるおじちゃん。かなり力がいりそうな作業だ

稲を束ねるおじちゃん。かなり力がいりそうな作業だ

こうしてみると1本だけでも大きい。毎日毎日、コツコツ丁寧に作られていく

こうしてみると1本だけでも大きい。毎日毎日、コツコツ丁寧に作られていく

中の稲穂をコモで覆う作業も一苦労

中の稲穂をコモで覆う作業も一苦労

直径1.2メートル、全長16m大縄がの2本完成

直径1.2メートル、全長16m大縄がの2本完成

しめのこも形がきれいになるようにバランスを見ながらカット

しめのこも形がきれいになるようにバランスを見ながらカット

一つ一つの毛羽立ちをカットするお母さん

一つ一つの毛羽立ちをカットするお母さん

 

 

 

住民総出の一大行事「大撚り合わせ」  

 

2本完成した大繩を結ぶ「大撚(よ)り合わせ」は大しめ縄製作の最終工程。1日がかりで行われ当日は大型クレーン車と100人以上の人出で行われる。すごく重いわけではないけれど、結んでいくにつれて固くなり最後の方を結ぶのにすごく力がいるんだそう。バランスよく、きれいにできるよう微妙に位置を調整しなければならず、その工程はとても忍耐が必要なんだとか。完成後は大型トラックに載せられて翌日すぐに出雲大社に運ばれる。

 

 

完成した2本の大繩を結ぶ「大撚り合わせ」が始まった

完成した2本の大繩を結ぶ「大撚り合わせ」が始まった

巻くほどに固くなってい行くから大変

巻くほどに固くなってい行くから大変

 

微妙に位置を変えながらきれいにできるように調整していく

 

 

丸となって渾身の大しめ縄が完成

丸となって渾身の大しめ縄が完成

大型トラックに載せて出雲大社神楽殿に運ばれる

大型トラックに載せて出雲大社神楽殿に運ばれる

 

 

 

大型クレーン車によって旧大しめ縄が取り外される。日に焼けた旧しめ縄は6年間、たくさんの人々に拝まれて、その役目を終える。ちなみに役目を終えた大しめなわは飯南町に戻り、土に返される。たくさんの人々が見守る中、しめのこを取り付けて、神楽殿にかけられる。春に田植えをし、夏を終えて稲刈りをして、秋冬にかけて大縄を製作。神楽殿に奉納するまで1年半という月日が流れる飯南町の大仕事だ。

 

 

しめのこを取り付ける

 

 

良く日に焼けた旧大しめ縄が取り外された

良く日に焼けた旧大しめ縄が取り外された

神楽殿にはたくさんの人だかりができ架け替え作業を見守る

神楽殿にはたくさんの人だかりができ架け替え作業を見守る

 

無事に大しめ縄が架け替えられた。田植えから架け替えまで約1年半。携わった人々も感無量の表情

 

 

 

山陰奥地にある静かで温かな町、飯南町  

 

一年を通して「しめ縄」を結んでいる飯南町に住むにとって、しめ縄作りは神様から与えられた伝統行事であり「誇り」でもある。飯南町「道の駅」頓原に併設される「大しめなわ創作館」ではそ全国の大社や神社へしめ縄を製作、奉納するだけでなく、訪れた人たちにもしめ縄づくりを体験してもらっている。出雲大社神楽殿の大しめ縄を最大として、小さいものなら手のひらサイズの「ミニしめ縄」の作成も可能だ。そのほか、希望サイズに対応したしめ縄を作ることができる。言うなればオーダーメイドしめ縄に対応している。大きなしめ縄を作る時は地域住民たちにお声がかかり召集されるんだとか。

 

 

道の駅頓原にある大しめなわ創作館。軒先に飾られているのもかなり大きなしめ縄

 

 

木彫りのクマがお出迎えしてくれる

木彫りのクマがお出迎えしてくれる

大しめなわ創作館の展示室ではいろいろなしめ縄の製作が可能

大しめなわ創作館の展示室ではいろいろなしめ縄の製作が可能

手軽に作れるミニしめ縄、所要時間15~20分880円「交通安全」「家内安全」「恋愛成就」などいろいろな紙をつけることができる

手軽に作れるミニしめ縄、所要時間15~20分880円「交通安全」「家内安全」「恋愛成就」などいろいろな紙をつけることができる

創作館では猫のお部屋? なんかも作ら得ているのが可愛い

創作館では猫のお部屋? なんかも作ら得ているのが可愛い

展示スペースには出雲大社神楽殿に飾られている実物サイズの「しめのこ」が展示

展示スペースには出雲大社神楽殿に飾られている実物サイズの「しめのこ」が展示

バックヤードは工房になっていて制作風景を見学できる

バックヤードは工房になっていて制作風景を見学できる

 

 

しめ縄づくりで人と人とがつながる飯南町。いったいどんな町でどんな人が住み、訪れればどんな出会いや体験があるのか。 次回は飯南町が自転車に乗ってご紹介。こうご期待

Report / Yukako Okada

 

大しめなわ創作館

島根県飯石郡飯南町花栗 飯南町花栗54-2

入館料:無料

開館時間:10:00~17:00

休館日:年末を除き無休

問合せ:shimenawa@iinan-net.jp

 

 

飯南町公式観光ガイド「飯南さとやまにあ」

http://satoyamania.net

 

to be continued…

 

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