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2019.09.04 Wed

#Osaka

気鋭ブランド『DAIRIKU』の魅力に迫る! デザイナー岡本╳スタイリスト渕上╳rroomm安田のスペシャル対談(前編)

気鋭ブランド『DAIRIKU』の魅力に迫る! デザイナー岡本╳スタイリスト渕上╳rroomm安田のスペシャル対談(前編)

#DAIRIKU#rroomm#インタビュー

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アメリカンヴィンテージに敬意を払いつつ、ファニーなエッセンスを巧みにブレンドする新鋭ブランド<ダイリク>。弱冠25歳の若きデザイナー・岡本大陸さんをはじめ、彼が絶大な信頼を寄せるスタイリスト・渕上カンさん、そして18AWから取り扱いをスタートし、親交を深める『ルーム』のバイヤー兼スタッフ・安田卓弘さんに集まってもらい座談会を開催。

 

エピソード1と題した前編では大陸さんの物づくりに対する想いはもちろん、傑作シネマさながらのストーリーを感じさせるルックの撮影秘話についても大いに語ってもらった。

 


 

 

岡本大陸 / DAIRIKU OKAMOTO

1994年生まれ。バンタンデザイン研究所ファッションデザイン学科の在籍中に自身のブランド<ダイリク(DAIRIKU)>を立ち上げ。2016年には「Asia Fashion Collection」のグランプリを受賞し、2017年秋冬コレクションをNYのファッションウィークで発表。ブランドコンセプトは「ルーツやストーリーが感じられる服」。

 

 

 

渕上カン/ KAN FUCHIGAMI

数多くのアーティストをはじめ、<ダイリク>のルックブックや広告、雑誌など多岐に渡り活躍するスタイリスト。その傍らバンタンデザイン研究所 大阪校のスタイリストコースの講師も務める。また自身のセレクトショップ『パッシム』もイレギュラーで運営。

 

 

 

安田卓弘 / TAKAHIRO YASUDA

関西を代表するセレクトショップ『ルーム』でカリスマ的人気を誇るショップスタッフ。販売のみならず、バイヤーとしても活躍する。ショップの10周年を記念したエクスクルーシブもしこたま準備しているそう。

 


 

 

<DAIRIKU>ができるまで。

 

 

 

―<ダイリク>は“ホームキッズ”や“アメリカンドリーム”など、毎シーズンテーマを打ち出しているのが印象的です。服づくりはどんなことからスタートするんですか?

 

岡本大陸(以下、大陸):単純にこんな服がつくりたいってところから始めることもありますが、まずはモチーフにする映画を決めます。“アメリカンドリーム”のシーズンは、「アメリカン・グラフィティ」をモチーフにしています。僕が映画を好きになったのは父の影響が大きくて、子どもの頃からアメリカンニューシネマをよく観ていました。よく二人でレンタルビデオ屋にいって、父が4本、僕が1本借りるみたいな感じ。子どもだったので僕はアニメをレンタルするんですけど、父が借りた映画も隣で観ていたんです。大人になって「昔観たことあるな」って懐かしくなることが多くて。寛さんもめっちゃ映画好きですもんね。

 

渕上カン(以下、カン):好きやね。いつもルックのスタイリングをするときは、テーマの映画を流しながらするもんな。

 

大陸:カメラマンの小見山俊さんも映画好きで、テーマを共有しやすいですね。僕らのルックブックは、撮影前日にスタイリングを組むんです。22時に集まって、とりあえず銭湯に(笑)。

 

カン:神聖な服に袖を通すので、まずは身を清めるところから(笑)。

 

安田:カンさんらしいですね(笑)。

 

大陸:それから朝の5時までスタイリングして寝ずに撮影しに行くのがルーティーン。4時頃になると撮影に間に合うんかなって不安になりながらもなんとか終わるんです。

 

安田:ギリギリに組むのは意図があるんですか?

 

カン:その方がリアルかなって。シーズンの服を最初に触れるのがその日なので、テンションが上がった状態をキープしたい。スタイリングはたった5時間やけど、自分が服と歩んできた数十年間を全てに注ぎ込む感覚。

 

 

 

 

大陸:カンさんはめちゃくちゃ服を持ってますし、引き出しが豊富なのでいつも新鮮な気持ちにさせてもらいます。カンさんが着ているアロハシャツは’60sのアメリカをイメージしてつくってるので、僕の中ではレザーシューズを合わせたいなという思いがあったんです。でもカンさんのフィルターを通すと、<ナイキ>のバンダルやエアフォースといったスニーカーを合わせて違ったアプローチを提案してくれる。僕が描きたい世界観を汲み取りつつ、今っぽさや’90sのイナタイ雰囲気を表現してくれるというか。さらにそれをフォトグラファーの小見山さんが撮影すると映画のワンシーンのようになるんです。それでようやく<ダイリク>というブランドが完成するような気がしてますね。

 

カン:めっちゃ嬉しいこと言うてくれるやん。出会って3年やけど、初めて聞きました(笑)。

 

大陸:スタイリストという存在の大きさに気づかせてくれたのは寛さんなんです。

 

カン:服飾の学生はスタイリスト志望とデザイナー志望でファッションに対する考え方が180度違うし、仲悪いのが伝統やもんな(笑)。

 

安田:それよく聞きますね。

 

大陸:そうなんですよ(笑)。そういう偏ったイメージもカンさんが壊してくれました。デザイナーとスタイリストだけじゃなく、編集者やフォトグラファー、販売員など色んな人との関わり合いの大切さを学ばさせてもらってる最中ですね。小見山さんを紹介してくれたのも寛さんですし、本当に感謝してもしきれない。

 

 

 

 

―カンさんはスタイリングで意識されていることはありますか?

 

カン:今っぽくなりすぎないよう、あえてイナタイ雰囲気になるように組んでます。僕自身が今っぽいのが好きじゃないってのもあるんですけど、若いデザイナーのブランドを今風のスタイリングにしてしまうとすぐに消化されてしまう気がするんです。

 

安田:狙いすぎないのがいいですよね。数年後見てもカッコイイと思わせる説得力がある。

 

大陸:そう思ってもらえてるのは嬉しいですね。僕自身、“若手ブランド”や“若手デザイナー”として注目されるのがあまり好きじゃなくて。年齢やキャリア関係なく、対等な立場で見てもらいたいんです。

 

安田:お客さんからしたら関係ないですもんね。仮にタグがなくても<ダイリク>はアイテム単体で勝負できると思う。

 

大陸:服を見てから、「この服、20代のデザイナーがつくってるんや」って思われたい。今僕の服を買ってくれているのは、圧倒的に10、20代が多いです。そんな彼らが10年後とかに「ここのステッチ、ヴィンテージのディテール取り入れられてたんや」って理解してもらえるのを期待しながらつくってます。

 

 

 

 

安田:僕が<ダイリク>を仕入れたときってそんな感じでした。服を見てからこんな若いデザイナーなんやって。たくさんのブランドが並ぶ合同展示会に訪れているときに、時間がなかったんですけど、ブースの一角に飾ってあったウィンドウズのロゴをモチーフにしたパーカーがすごく気になって。オーナーと相談して「ちょっと見ていく?」ってことになり、取り扱いが決まりました。それが18AWの“ホームキッズ”。最初はモノだけを見て、デザインもいいしつくり込みも細かいし、すごいなと思ってたらデザイナーが若い大陸くんでびっくりしました。

 

大陸:『ルーム』で取り扱いしてもらったのが2シーズン目で、その頃ってアイテム数も少なかったですし、不安しかなくて嬉しかったですね。合同展示会をするのもその時が初めてで。会場の方に誘われたのが、応募締め切りの前日(笑)。まだ服のサンプルも上がっていなくて、ルックも撮影していないタイミングだったんです。でも一回チャレンジしてみようと。あそこがターニングポイントになったなと思いますね。

 

安田:ウチは数シーズンだけ仕入れて、ブランドをコロコロと変えるってのはあまりしたくなくて、ブランドとともに成長したいと思っているんです。すでに取り扱いブランドがかなり多いんですけど、ラインナップにさらなる奥行きを与えてくれるだろうなって思いました。

 

カン:そこからどんどん取り扱いも増えてるもんね。あのパーカーは秀逸やんな。

 

安田:本間にそうですね。キャッチーさがあるのに、カッコつけすぎないブランドってあまりなくて。ルックの世界観も新しくてオモロいし、すごいブランドが出てきたなって思いました。カンさんがスタイリングやっていることも後になってから知ったことで、点と点が繋がっていくような感覚でしたね。そらカッコ良くて当然やんって。

 


 

 

ぼくらと<DAIRIKU>の関係性。

 

 

 

―カンさんと安田さんから見た<DAIRIKU>の魅力ってなんですか?

 

カン:やっさんも言ってたけど、クオリティの高さ。あのパーカーも既存のボディにプリントするんじゃなくて、オリジナルでつくるってところがいい。

 

安田:しかも素材どうこうを彼自身がプッシュするわけじゃない。ボディにこだわるのは当然ってスタンスが渋い。

 

カン:そうなんよ。ウンチクを謳うわけじゃないのに、袖を通すと着心地がめっちゃ良い。シルエットも抜群やもんな。

 

大陸:シルエットは気にしてつくってますね。身幅をワイドにしたりアームホールを太めにしたり、リラックスして着てもらいたいんです。

 

安田:ウチの取り扱いブランドでもオープン前からお客さんが並ぶのは<ダイリク>くらいかも。

 

カン:錚々たるブランドが顔連ねるなか、すごいな。

 

安田:ブランドとしてのフレッシュさも魅力なんですけど、流行りで終わらせたらダメなブランドだなって思いながら接客してます。情報が先行してしまって、下手したら販売員よりお客さんの方が<ダイリク>について詳しいかもしれない。でも彼はローカルなショップでも真摯に向き合ってくれているから、クオリティの高さやブランドの想いをしっかりと伝えていきたいなって思いますね。ネットで何でも買える時代だからこそ、店とブランドが仲良いってのは大切にしていきたいですね。

 

カン:いい関係性やんね。僕もアーティストに衣装として持っていったとき、「買い取りたい」や「なんてブランドなんですか?」と気に入ってくれることが多いんですよ。ベーシックな服なのでどんな服にも合わせやすいし、少し遊びが効いてる絶妙なバランス。それでアーティストを展示会に連れて行くと、大陸のキャラクターを気に入ってくれるんですよ。服にも表れてますが、彼自身の人間性も魅力的なんですよね。

 

 

 

大陸:カンさんがよく使ってくれているおかげで、いろんな人と知り合えましたし、認知度も上がったのかなと思います。

 

カン:僕自身が<ダイリク>の大ファンなんで、ハマる人じゃないと衣装として提供せんとこうとは思ってますね。

 

安田:イケてるから着せるって感覚じゃないんですね。

 

カン:そうそう。ハマらないといい循環にならない。例えば海外アーティストってオシャレを頑張ってない普段着っぽさがあるのにクールじゃないですか。それを体現してるのが<ダイリク>だなって思います。

 

 


 

キーパーソン3人の思う<ダイリク>の魅力で話が盛り上がったエピソード1。後編では大陸さんがファッションに目覚めるきっかけやカンさんとの奇跡的な出会い、そして注目の新作アイテムの秘話について語ってもらいました。エピソード2は近日公開。お楽しみに!

 

 

Text : Shun Koda

Photo : Hanako Kimura

 

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